2015.12.10

今回も、我が玄侑さんの書から引用させていただきました。

 

現代的に考えるなら、すべての「苦」は脳が感じているといえるだろう。あるいは「心」が

といってもいいが、いずれにしても釈尊をいう人は、身心のさまざまな実験を通して、その

発生から消滅に到るシステムを探求した人だった。

本質的な解決法は、むろん修行を通して心の涅槃を実現することだが、それはなかなか

難しいから、釈尊は別な手も使っている。それが「一切皆苦」という認識だろう。

苦の滅除のために、一般人にまず有効なのは、「苦しくて当たり前」と思い込むことだ。

どんな思い込みもよくないのは承知しているわけだが、脳がどんな思い込みも捨てるなど

という事態は奇蹟に近い。ならば「苦」と思っておけば「思ったとおり」なのだから

随分緩和されるだろう、ということだ。

「生」も「老」も「病」も「死」も苦。そして愛する人と別れる愛別離苦、嫌な人にも

会わなくちゃいけない怨憎会苦、求めても思い通りには得られない求不得苦、そして健康で

あるがゆえの五蘊盛苦。これらをすべて併せて「四苦八苦」というのである。これだけ

苦だと思い込んでおけば、それほどでもなかったら儲けものということだ。

 

私も若い頃は仕事の疲れ、すなわち苦を、飲酒や房事で発散させられると思い込んでいたことが

あったが、歳をとるにつれ、苦を楽では消滅させられないことがよく分かってきました。

苦は苦として受け入れないといけない。そこで、苦が当たり前を脳にインプットさせると

生き方が優しくなります。

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